有松絞り浴衣は好き。でも、膨張が気になる
有松絞りの浴衣が好きです。夏の浴衣らしい涼しげな雰囲気があって、布の凹凸もかわいくて、見ているだけでも「いいなぁ」と思ってしまう。
ただ、ひとつ気になっていることがあります。それは、私が着ると少し膨張して見える気がすること。

有松絞り浴衣って素敵なんだけど、鏡を見ると「あれ、いつもより大きく見える?」ってなるんですよね。
有松絞りの浴衣は、布にシボと呼ばれる凹凸があります。
この凹凸のおかげで肌にぺたっと張りつきにくく、真夏でも着心地がいいのですが、そのぶん見た目にも少しふんわり感が出ます。
さらに私の浴衣は白地。白地の面積が多い浴衣は、見た目が涼しげな反面、鏡の前に立つと「なんだかいつもより広がって見える?」と感じることがあります。
体のラインを拾いにくいから良い、とも言える。
でも、ふんわり広がって見える、とも言える。
このあたりは、柄の入り方や帯合わせ、体型によって感じ方が変わるのかもしれません。
そもそも有松絞り浴衣とは
有松絞り浴衣は、布をくくって染める絞り染めの浴衣です。
プリントで柄をのせる浴衣とは違って、布をくくり、染め、ほどくという手間がかかります。
だからこそ、柄に独特のにじみや立体感があり、布にもシボの凹凸が生まれます。

もう10年以上前になりますが、私も絞り染め体験をしたことがあります。
小さな布でも、くくる作業だけでなかなか大変。
ましてや浴衣一反分となると、手間がかかるのも納得です。

体験してみると「これは高くなるわ…」って、ものすごく実感!
有松絞り浴衣は気軽に何枚も買える価格ではありません。
でも、だからこそ手元にある一枚を大切に着たいと思っています。
それでも有松絞り浴衣を着たい理由
膨張が気になるなら着なければいい。
そう言ってしまえば簡単なのですが、それでもやっぱり有松絞り浴衣は好きです。
シボのある生地は、肌にまとわりつきにくく、真夏でも比較的着やすいです。

浴衣は暑いもの。
でも、その中でも「これはまだ着やすい」と思える浴衣があるのは、夏着物好きとしてはかなり大きい。
見た目も涼しげで、白地に紺の柄は夏らしさたっぷり。
たとえ少し膨張して見える気がしても、やっぱり袖を通したくなる浴衣です。

着姿に100点満点の自信はない。でも、好きなんですよ。有松絞り浴衣。
白地×紺の有松絞り浴衣に金魚モチーフを合わせる
今回のコーデは、白地に紺の有松絞り浴衣。
そこに、紺の麻半幅帯を合わせました。
白地の浴衣に白っぽい帯を合わせると、全体がぼんやりしてしまいそうだったので、帯は濃いめの色で引き締めることに。
浴衣の柄にも紺が入っているため、帯も同系色にして、色数を増やしすぎないようにしました。

夏らしさを足したくて、帯まわりには金魚モチーフを。
金魚って、浴衣に合わせると一気に夏らしくなります。
花火、縁日、金魚すくい。
実際にそういう場所へ行かなくても、金魚の小物をひとつ合わせるだけで、少しだけ夏祭り気分になれるところが好きです。
大人の浴衣コーデに金魚モチーフを使うと、かわいくなりすぎるかな?と思うこともあります。
でも、色数を抑えれば意外と落ち着きます。
今回のように白×紺をベースにすれば、金魚の赤が小さな差し色になって、ちょうど良いアクセントになりました。
膨張感を抑えるために意識したこと
有松絞り浴衣のふんわり感は魅力でもありますが、白地だとやっぱり膨張が気になります。
そこで今回は、少しでもすっきり見えるように、帯まわりを意識しました。
まず、帯は濃い色をチョイス。
白地の浴衣に濃い紺の帯を合わせることで、胴まわりに締まりが出ます。
浴衣全体がふわっと見える時は、帯の色で引き締めるのが一番分かりやすい気がします。
次に、帯留めで目線を中央に集めました。

浴衣や帯だけで見ると面積が大きく感じることもあるけど、帯留めや帯締めに小さなポイントがあると、視線がそこに集まりやすくなります!
金魚モチーフなら季節感も出せるので、夏の浴衣にはぴったり。
そして、帯はふわふわしすぎないものを選びました。
兵児帯もかわいいのですが、有松絞り浴衣のふんわり感に、さらにやわらかい帯を合わせると、私の場合は少し甘く、丸く見えすぎる気がします。
今回は麻の半幅帯で、ほどよくシャキッと。
夏らしい軽さはありつつ、帯まわりはすっきり見えるようにしました。

有松絞り浴衣のふわっと感を活かしつつ、帯まわりだけはキュッと締める作戦です。
金魚刺繍の麻半幅帯と金魚帯留め

今回合わせたのは、パッチワークのような金魚刺繍が入った紺の麻半幅帯。そこに、金魚の帯留めを合わせました。

金魚に金魚。
少しやりすぎかな?と思わなくもないですが、夏の浴衣ならこれくらい遊んでもいいかなと。
帯が紺で落ち着いているので、金魚モチーフを重ねても派手になりすぎません。
むしろ、白×紺の浴衣に金魚の赤が入ることで、全体が少し華やかになりました。

下駄とかごバッグも合わせて、さらに夏らしく。
足元やバッグを軽くすると、浴衣全体の印象も涼しげになります。
後ろ姿は金魚刺繍を主役に

後ろ姿は、金魚刺繍の半幅帯が主役です。

前から見ると金魚の帯留めがポイント。
後ろから見ると、帯の金魚刺繍がポイント。
前後で少しずつ見どころが変わるのも、着物や浴衣コーデの楽しいところです。
洋服だと、正面の印象ばかり気にしがちですが、着物は後ろ姿も大事。
特に半幅帯は、帯結びや柄の出方で後ろ姿の雰囲気がかなり変わります。
今回は金魚刺繍がしっかり見えるので、後ろ姿にも夏らしさが出ました。
有松絞り浴衣に合わせる帯は、意外と悩む
有松絞り浴衣は浴衣らしい存在感があるので、合わせる帯に少し悩みます。
カジュアルな半幅帯なら何でも合いそうでいて、実際に合わせてみると「なんか違う」と感じることもあります。
浴衣のシボ感が強いので、帯の素材感や色によっては、ちぐはぐに見えたり、逆に浴衣の良さがぼやけたり。
私の場合、今回のような白地×紺の有松絞り浴衣には、濃い色の帯や、麻・博多帯のような少し張りのある帯が合わせやすいと感じました。
逆に、光沢が強すぎる帯や、重たい印象の帯は少し難しいかもしれません。
もちろん、これは好みの問題も大きいです。
でも「有松絞り浴衣にどんな帯を合わせればいいんだろう?」と悩む方は多そう。
私も気になったので、後日この有松絞り浴衣に手持ちの半幅帯・兵児帯を9本合わせて比較してみました。
浴衣だけど、少し着物寄りに楽しみたい
浴衣は気軽に着られるもの。
でも、大人になってから浴衣を着ると、昔のような「夏祭りの浴衣」とは少し違う楽しみ方をしたくなります。
派手すぎず、子どもっぽくなりすぎず。
でも、夏らしさや遊び心は欲しい。
有松絞り浴衣は、そういう大人の浴衣コーデにちょうど良い気がします。
手仕事の雰囲気があるので、浴衣だけど安っぽく見えにくい。
半幅帯や帯留めを合わせれば、浴衣としてだけでなく、少し着物寄りの感覚でも楽しめます。
今回の金魚モチーフも、まさにその感じ。
いかにも浴衣らしい夏のモチーフだけれど、帯まわりに小さく入れることで、大人でも取り入れやすくなります。
浴衣は若い人だけのものではないし、夏祭りに行く時だけのものでもない。
近所のお出かけでも、ちょっとしたランチでも、夏の気分を味わうために着ていい。
そう思うと、浴衣の出番はもう少し増やせそうです。

夏祭りに行かなくても、浴衣を着たら自分の中でちょっと夏祭り。
高くても、少しずつ集める楽しさがある
有松絞りの浴衣は、気軽に何枚も買える価格ではありません。
和装小物も、こだわり始めるとひとつひとつが意外と高い。

帯留め、帯締め、半幅帯、下駄、バッグ。全部を一度に揃えようとすると大変…
昔は、夏しか使えない麻半幅帯に9,000円なんて高級品すぎると思っていました。
ユニクロの服ならもっと安く買えるし、着る回数も多い。
そう思うと、なかなか手が出なかったんですよね。
でも、何年も使えると思えば、少しずつ集めるのも悪くない。

今年は浴衣。次の年は帯。また別の年に、金魚の帯留め。
そんなふうに、時間をかけて少しずつ自分の好きなものが増えていくのも、着物や浴衣の楽しいところです。
流行の服のように、ワンシーズンで終わるわけではありません。
気に入ったものは、何年も使えます。
むしろ、何年も使うことで「この浴衣にはこの帯留めが合う」「去年はこう着たから、今年は帯を変えてみよう」と、自分の中にコーデの引き出しが増えていきます。
今回の有松絞り浴衣も、最初は膨張感が気になっていました。
でも、帯や小物を変えながら試していくうちに、少しずつ自分なりの着方が見えてきた気がします。

一気に揃えられないからこそ、ひとつ増えるたびにうれしいんですよね。
まとめ:膨張が気になっても、好きな浴衣はやっぱり着たい
有松絞り浴衣は、シボのある生地が涼しく、夏らしい魅力のある浴衣です。
ただ、白地やふんわりした質感によって、私のように「少し膨張して見えるかも」と感じる人もいると思います。
そんな時は、帯の色を濃くしたり、帯留めで目線を集めたり、素材感のある半幅帯で帯まわりをすっきりさせたり。
少し工夫するだけで、着やすくなることがあります。
今回のコーデでは、白地×紺の有松絞り浴衣に、紺の麻半幅帯と金魚モチーフを合わせました。

膨張感は気になる。でも、やっぱり好き。
その気持ちを無理に消さなくてもいいのかなと思います。
着物や浴衣って、完璧に似合うものだけを着るよりも、「ちょっと悩むけど、やっぱり好き」と思えるものを、自分なりに工夫して着るのが楽しい。
今年もまた、この有松絞り浴衣を着て、夏らしいお出かけを楽しみたいです。


