堺で絞り染め体験。職人さんの注染実演に感動した大産業祭

着物で巡る堺の大産業祭|にぎわう会場、そそぎ染め実演見学、ご当地グルメをコラージュしたメインビジュアル

2011年10月、着物サークル「きもの結び」の仲間と、大阪・堺で開催された「技・食・楽 大産業祭」へ行ってきました。

会場では堺の産業や食を楽しめるブースが並び、私たちのお目当ては絞り染め体験と注染の実演。

着物や浴衣に関わる「染め」を実際に見て、触って、体験できる一日になりました。

※この記事は2011年10月当時の記録を、2026年に旧ブログから移設・再編集したものです。

想像以上ににぎわっていた堺の大産業祭

会場に到着すると、思っていた以上の規模。さまざまな企業やお店のブースが並び、たくさんの人でにぎわっていました。

堺の大産業祭の会場を歩く来場者の様子

染め体験へ一直線……
とはならず、まず気になるのは食べ物です。

湯気につられて、まずは屋台へ

目に入ったのは、ほかほかと湯気の上がる玉こんにゃく。

湯気の立つ鍋から取り分けられる玉こんにゃく

これは素通りできません。

玉こんにゃくのほかにも餃子や五平餅などを買い、みんなで少しずつ分けながら食べました。

大産業祭で食べた玉こんにゃくや餃子など会場グルメのコラージュ

こういうイベントは「ちょっとずついろいろ食べられる」のも楽しいところ。着物仲間と来ていると、自然とシェア前提になります。

堺といえば刃物。巨大な包丁も

会場を歩いていると、今度はものすごく大きな包丁を発見。

堺の大産業祭で大きな包丁を手にする着物姿の参加者

堺は刃物の産地としても知られていますが、実物を目の前にするとかなりの迫力。染め物だけでなく、堺のものづくりを一度に見られるイベントでした。

楽しみにしていた注染の実演

そして、今回ぜひ見たかった注染の実演へ。

堺の大産業祭で行われていた注染の実演風景

職人さんが、生地の染めたくない部分に防染糊を置いていきます。さらに糊で「土手」を作り、その中へ染料を注いでいきます。

注染の型に沿って染料を注いでいる様子のアップ

染料を入れたと思ったら、下からシュポッと吸い込まれていく。
初めて見る私は、その工程がおもしろくてずっと見入っていました。

土手で染料をせき止めることで、隣り合った色が混ざらず、それぞれ違う色に染め分けられます。

重ねた生地を一度に染める注染

注染で驚いたのが、一枚ずつ染めているわけではないこと。生地をじゃばら状に重ね、何枚もの層を一度に染めていきます。

実演が終わると、染め上がった生地を見せてもらいました。

注染で染め上がった大産業祭の文字入り布

色と色との境目を見ると、パキッと機械的に分かれているわけではなく、ほんのり色がぼけたり、グラデーションになったりしています。

この均一すぎない感じが、手染めならではなのかもしれません。

注染は表と裏を同じように染められるのも特徴で、現在は堺の「浪華本染め」として国の伝統的工芸品に指定されています。指定されたのは2019年なので、この実演を見た8年後のことでした。

今度は自分たちで絞り染め体験

注染をたっぷり見学したあとは、私たちも染め体験へ。

挑戦したのは絞り染めです。さらしを一枚受け取り、染めたくないところをゴムでぐるぐる巻いていきます。

ここで本来なら、「完成すると、どこが白く残る?」と考えながら縛らなければいけないのですが……

写真も撮っておかないと!

絞り染め体験で布をくくる前の準備をする参加者

そちらに気を取られ、かなり適当にゴムを巻いてしまいました。
隣を見ると、布をきれいに折り畳み、完成形を想像しながら丁寧に作っています。

染料へ、チャポン

ゴムを巻き終えたら、いよいよ染色。

絞り染め体験で布を藍色の染料に浸している様子

布を染料の中へチャポン。思っていたより、あっという間に染まりました。

そしてゴムを外して広げてみると……

私の絞り染め、なんだか気持ち悪い

藍色の中に、細くていびつな白い輪がポコポコ。ゴムの締め方が弱かったところは、ぼんやりにじんでいます。

うーん……なんか気持ち悪い。

当時の記事では「お見せできないほどひどかった」とまで書いていました。

でも今見ると、これはこれで初めて絞り染めをした記録。
上手に作ることだけが体験ではないので、今回は写真もしっかり残しておこうと思います。

同じ材料なのに、こんなに違う

一方、ほかの参加者の作品はこちら。

絞り染め体験で完成した藍染め作品を持つ参加者たち

同じさらしとゴムを使っているのに、模様が全然違います。折り方、縛る位置、ゴムの強さ。ほんの少し作り方を変えるだけで、染め上がりが大きく変わることを実感しました。だから絞り染めって面白いんですね。

実際に見て、染めて分かったこと

それまで「注染」「絞り染め」という言葉は知っていても、実際にどうやって染めるのかは、ぼんやりとしか分かっていませんでした。

職人さんが糊で土手を作って染料を注ぐところを見て、自分でも布をくくって染めてみる。

一度体験すると、浴衣や手ぬぐいを見るときの目が少し変わります。

特に絞り染めは、完成形を想像して布を折り、どこを染めずに残すか考えることもデザインの一部。

適当に縛った私は、それを身をもって学びました。

次にやるなら、ちゃんと考えて作りたい!

そんなことを思った、初めての絞り染め体験でした。

堺の注染は、現在「浪華本染め」に

この記事を書いた2011年当時に見学した注染は、現在も堺の伝統産業として受け継がれています。2019年には「浪華本染め」として経済産業大臣指定の伝統的工芸品になりました。手ぬぐいや浴衣などに使われ、堺市では現在も実演や展示・販売イベントが行われています。

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